小説に書けなかった自伝 - 新田次郎 - 小説・無料試し読みなら、電子書籍・コミックストア ブックライブ
安月給の生活苦。妻の本に触発された訳ではないが、小説に挑戦してみようと思った。しかし、何をどう書けばいいのかまるでわからない。なくされた原稿、冷たい編集者、山岳小説というレッテル、職場での皮肉。フルタイムで働きながら、書くことの艱難辛苦……。やがて、いくつもの傑作が生まれていく。事実を下敷きに豊かな物語を紡いで感動を生んできた新田文学の知られざる内面史。
新田作品は、雑誌で映画の紹介をしていたのを見て「劒岳〜点の記」を手に取ったのが初めてです。それから数冊読んで、この本に至りました。 新田氏の文学の歴史が詰まったような作品であって、氏の人柄が垣間見えるものだと感じます。 処女作からまた作品を読み返してみたら、最初に読んだ時と違う情景が浮かぶかもしれません。 特に退職前後の話が印象に残りました。